私達は、古き歴史を肌で感じるために博物館に行き、文化財を鑑賞し、当時の文化や生活に思いを馳せる…文化財を入手することは困難ですが、個人が購入し収集できる歴史もあります。昭和のレトログッズです!4半世紀前の日用品や玩具が失われつつある現在、戦後の高度成長期を形で残す文化財といえるかもしれません。造形やデザインを楽しむとともに、親の世代から自分の成長期を懐古するクロニクルともいえるでしょうか。
そんな昭和のレトログッズを収集しているのは、九十九里で接骨院を運営されている秋葉さん。ガレージを訪れると、オロナミンCの大村崑さんが迎えてくれ(卵で割って飲んだ記憶がよみがえる人は、昭和45年以前の生まれの方ですよね?)、奥からアース線香の由美かおるさんが艶めかしく微笑みます。タレントの所ジョージさんの「世田谷ベース」を雑誌で知り、レトログッズやフィギアを収集しているのを見てその世界を知ったと、秋葉さんは言います。さらに、ガレージを建築していたレトロ好きの職人さんと話しているうちにその世界にはまってしまい、今や奥様・子供共々家族で楽しんでいます。
「ネットや各地のアンティークショップなどでグッズを購入する際は、事前に相場の底値を調査、キズや色落ちなどの状態をみて交渉するのが収集のコツ」だと教えてくれました。映画「オールデイズ三丁目の夕日」の影響からか昭和懐古ブームで3年前程から相場があがったらしいです。最後に、「秋葉さんにとってレトログッズとは?」と問うと「ストレス解消です」と笑顔で答えてくれました。なるほど、アメリカの精神科医のR.バトラーの唱える「回想法」という心理療法で過去を回想するセラピーがあるのも納得。
残念ながら趣味で集めているので一般公開されていませんが、貴重なレトログッズを沢山見させていただき、ちょっと昔の思い出に戻れる場所を持っている秋葉さんが羨ましくなりました。皆さんも今持っている何かが、数十年後には貴重なレトログッズになるかも知れませんね。
〈取材・写真協力〉秋葉接骨院
九十九里町片貝1156-2 ☎0475-76-1570
※レトログッズの一般公開はしておりません